FC2ブログ

泣くな研修医  中山祐次郎著

”幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと”を書いた中山さんの小説。
小説とはいえ医師である中山さんが、自分の研修医の頃を思い出して書かれているのだろうと思い読んでみました。

誰にでも初めがあります。
医師も同じ。
でも医師は失敗が許されない。
相手は人であり、命。

何もできない自分へのジレンマと誠実に人の病気と命に向き合う研修医。
喜びがあったり、辛かったり、悲しかったり。

私が妊婦の時、大学病院に通っており、研修医か実習生(記憶があいまいです)が立ち会ってもいいですか?と聞かれました。
これからの何かの役に立つのなら、と了解しました。
妊婦の診察台にのりカーテンの向こうでお医者さんが色々説明されているのが聞こえました。
恥ずかしかったし、辛かったです。
今頃、その人たちもよいお医者さんになってたくさんの人を助けてくれていたら、あの時間が報われます。

一人でもたくさんの良いお医者さんが生まれますように。
お医者さんの卵たち、がんばれ!
スポンサーサイト



1R1分34秒  町屋良平著

今年度後半の芥川賞受賞作。

プロボクシングのデビュー戦で勝利しその後、振るわない主人公。
コーチに見放され、ウメキチトいう同年代のコーチに指導されることになります。
ひととの関りに興味がなく、ウメキチにも心をひらかない中、少しずつウメキチに傾き始めます。
そしてウメキチの練習メニューをこなし試合では・・・

ボクシングの細かいことは分かりません。
でも厳しい練習と減量の中、弱っていく心と体。
それでも戦う、極限のスポーツ。

息子が高校生の時ボクシングを始めたいと言い出し、大反対しました。
大体のことは反対しませんが、スポーツとは言え人を殴ったり殴られたり。
頭を殴られて体に良いわけがありません。
実際、この本を読んでやっぱり反対してよかったと思いました。
結果、息子はサンドバックを殴る練習までで、スパーリングに入ったところでやめる約束をして始めました。

ボクシングの厳しさを覗ける興味深い本でしたが、やはりボクシングというスポーツは好きにはなれませんでした。

2回目のフルマラソン

1週間前の天気予報は雨。
NDS(走らず棄権)するつもりで、ほっとしていました。
日頃の行いがいいのか悪いのか、当日は晴天。
走らない理由が無くなり、夫とフルマラソンに出場。

30キロ近くまではいつもより早いペースで。
後でガス欠になるぞ!と自分を抑えつつ、周りの雰囲気でついハイペース。

練習の時同様、30キロを過ぎたころからどっと疲れが。
その先の長いこと長いこと、残りは12.195キロ。
なんの罰ゲーム? 
二度と走らないと決意しながら走りました。
とにかく目標達成しないで、リベンジランなんて絶対に嫌、という思いだけで、引きずるように一歩一歩前進。

何とか目標のサブ5(6時間以下乾燥)を達成。
嬉しかった!
練習の成果!
リベンジラン不要!

夫の撮ってくれたゴールの写真。
雑誌の表紙のように両手を挙げてにこやかに写ったつもりが、体は傾き表情はゆがみよれよれでした。

本当にへとへとでその晩は辛過ぎて、何度も目覚めました。
なのに3日経つと次のシーズンの計画をしたりして。
何なのでしょうね?

幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと   中山祐次郎著

中山さんは1980年生まれ、外科医になって9年目にこの本は書かれました。
外科医という忙しい仕事の中、本を書く暇があったら仕事をしろ!という非難覚悟で書かれました。
医師として感じたことを伝えることも、医師としての仕事の一部と考え、仕事をしながら書くことを選びました。

医師にしか書けない生と死の問題。
医師だからこそ感じる生と死の不思議。
生き方が死に方に及ぼす影響。

中山さんは後悔の残る死に方をしたいといいます。
後悔が残るということはそれだけ今何かに夢中だということ。
そんな生き方をしたいと。

ALSの患者さんについても書かれていました。
筋肉がどんどん動かなくなり、最後は瞬きさえできなくなる患者さんもいます。
でも痛みや感情は残っています。
患者さんは人工呼吸器をつけるかつけないか自分で選択することが出来ます。
どちらが正しいのか答えのない選択です。
でもいったん、人工呼吸器をつけるとどんなに患者さんが望んでもそれを医師は外すことはできません。
外すことは殺人行為になります。

生と死 難しいです。

大家さんと僕   矢部太郎著

お笑いコンビ カラテカのボケ担当 矢部さんの書いた本。

87歳の大家さん(女性)の住む一軒家の2階を借りて住むことに。
借りる時の条件は、大家さんが高齢なので毎日お元気か確認すること。
大家さんと矢部さんの心温まる交流を、優しいタッチの漫画形式で書かれた本です。

突然雨が降ってくると、干してある洗濯物がきっちっとたたまれて矢部さんの部屋に並べてあったりして、大家さんとの距離感がつかめず、最初戸惑う矢部さん。
でもだんだんと、大家さんのペースにはまり交流が深まっていきます。
一緒にコーヒーを飲みに行ったり、ランチに出かけたり。
しまいには大家さんの行き残した、九州に一緒に旅行に出かけたり。

矢部さんは40歳前後。
2人の年の差から生まれるくすっと笑える微笑ましい会話があちこちに。
大家さんの理想の男性は?マッカーサー元帥。
矢部さんのお誕生日には手作りのおはぎに、お仏壇のろうそくが1本のサプライズ。
またところどころ、大家さんのお年からくる笑えないジョークがあったり。

矢部さんがこの本を出版して話題になった後、大家さんは亡くなりました。
でも大家さんが読んで、そのことをとても喜べたので良かった。
一緒に暮らしていたお姉さんを亡くした後、矢部さんと楽しい時間が持てたこと、本当に良かった。
大家さんの家を借りたのが、矢部さんで本当に良かった。
これも何かのご縁ですね。