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極夜行  角幡唯介著  No.2

角幡さんは1匹の犬と旅をします。
彼にとって犬は運搬を担い、白熊や狼など獣からの攻撃を知らせてくれるボディーガードであるばかりでなく、旅の友であり癒しでありました。

デポといって旅の前に食料や燃料を備蓄しておく場所があります。
彼はそれを頼りに旅をしますが、熊に荒らされ、人に荒らされ食料が尽きていきます。
狩猟もうまくいかずこのままでは自分の命が危うい、と思うとき最後は友である犬をも食料とみなすようになります。

普通に考えて、一緒に苦楽を共にした犬を食料とみなすなんて考えられません。
でも極限まで来たとき、人はそのように考えるようになるのですね。
それだけ過酷な世界なのでしょうね。
彼は食料が不足しやせ細っていく犬を見ながら、かわいそうという気持ちと同時に、自分の食べる肉が減っていくと考えるのです。

無事に旅を終え一緒に戻れることが何よりであり、心から希望しているのですが、食料がなくなり極限まで来たとき、この肉があると考えることが心の支えになったのです。
きれいごとではなく、生きていくために人という動物の本能なのでしょうか。

生死を見つめる本でした。
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